教育訓練給付金の申請をしてきました
今回は、教育訓練給付を受給するための手続きの話を書こうと思います。
教育訓練給付制度については別の記事でも触れています。ぜひこちらもご覧ください。
今回は改めて、制度の概要や実際の申請プロセスについて書いていきます。
教育訓練給付制度について
教育訓練給付制度とは
一定の受給要件(詳細は後述)を満たす人の、主体的な能力開発の取組みや中長期的なキャリア形成を支援し、「厚生労働大臣の指定」を受けた教育訓練を受けた場合に、受講にかかった費用の一部が支給される制度です。
教育訓練給付金にはさらに以下の3つのカテゴリがあります。()内は大まかな給付内容です。
・一般教育訓練給付金(支払った費用の20%、上限10万円)
・特定一般教育訓練給付金(支払った費用の40%、上限20万円)
・専門実践教育訓練給付金(支払った費用の50%、上限80万円。修了後要件を満たした場合、支払った費用の70%、上限112万円)
ちなみに、私が進学する東京都立産業技術大学院大学情報アーキテクチャコースは専門実践教育訓練給付の対象講座です。
一定の受給要件とは
受給要件はいくつかありますが、在職者と離職者とで大きく分けられます。おそらくこのブログの読者の皆様は、社会人大学院に興味がある方々かと思いますので、今回は在職者にフォーカスして書こうと思います。
在職者の受給要件はざっくりと以下3点です。
・雇用保険の被保険者である
・在職期間が3年以上ある(初めて本制度を利用する場合は、一般教育訓練の場合は1年以上。専門実践教育訓練の場合は2年以上。)
・2回目以降の受給の場合は、前回の受給から3年以上経過している
2点目については、同一の事業主に雇用されていることが基本ですが、例外もあるので、厚生労働省のウェブサイトや各種給付金のリーフレット等でよくご確認ください。
教育訓練給付の申請について
ここからは、私が実際に専門実践教育訓練給付の申請をした際のフローや内容について書いていきます。
1月5日 受給資格の確認や制度の案内を受けるため、ハローワークへ行く。
人生で初めてハローワークに行きました。緊張しました。
ここで、私には受給資格があるのかを確認しました。受給資格の有無を確認したい旨を係の方に伝えると、照会依頼の書類の記入方法を丁寧に教えてくださいました。また、記入した書類を窓口の方に渡すと、すぐに調べてくださいました。照会結果は「教育訓練給付金支給要件回答書」という形で受け取ることができます。照会の際は、本人確認資料や社員証を持っていくと良いと思います。照会の結果、私は無事受給資格があることが判明しました。その後、教育訓練給付制度の概要や今後必要な手続きについての説明を受けました。
ちなみに、ハローワークならどこでも良いというわけではないようです。自宅のある市区町村のハローワークに行きましょう。
1月5日 キャリアコンサルティングの予約を行う。
ハローワークで必要な手続きを確認したところ、キャリアコンサルティングを受ける必要があることがわかったので、その日の内に予約をしました。私が住んでいる地域のキャリアコンサルティングの予約枠はかなり先の日程まで埋まっており、予約できたのは2月4日の枠でした。ちなみに、キャリアコンサルティングの予約はオンラインまたは電話で行うことができます。
1月5日 マイナンバー入りの住民票の写しを取るため、区役所へ行く。
教育訓練給付の申請にはマイナンバーの確認書類が必要です。ハローワークに行った足で区役所に行き、住民票の写しを入手しました。マイナンバーカードや番号通知カードがある場合は住民票の写しを取りにいく必要はありません。
(1月17日 第4期入試を受験。)
(1月20日 合格発表で合格を確認。)
1月27日 銀行口座の確認印を受け取るため、銀行に行く。
ハローワークへの提出書類の1つに「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」があります。この書類の中に、給付金を受け取るための金融機関の口座を記入する必要があり、さらにその口座が実在することを示すために、金融機関による確認印を押してもらう必要があります。自分の場合は、入学金の振込と一緒に窓口で依頼したところ、すぐに押印していただくことができました。
1月31日 ジョブカードを作成する。
キャリアコンサルティングを受けるにあたっては、「ジョブカード」を作成する必要があります。
ジョブカードにはいくつか様式がありますが、キャリアコンサルティングを受ける前には、以下の4種類を作成します。
・キャリア・プランシート(様式1-1)
・職務経歴シート(様式2)
・職業能力証明(免許・資格)シート(様式3-1)
・職業能力証明(学習歴・訓練歴)シート(様式3-2)
ジョブカードの白地は、ハローワークでもらえるジョブカード活用ガイド(手書き用)や、ジョブカード制度総合サイト(手書き用・Excelシート入力用)にあります。
2月4日 訓練前キャリアコンサルティングを受けるため、ハローワークへ行く。
上述の通り、専門実践教育訓練給付金を受給するためには、訓練前キャリアコンサルティングを受ける必要があります。受講の際は、作成済みのジョブカードを持参します。所要時間は1回あたり1時間程度です。基本的には1回で完結しますが、キャリアコンサルタントの判断で2回以上行うこともあるそうです。
キャリアコンサルティングの目的は以下の2点です。
・キャリアプランを作成し、将来の職業設計のきっかけを作ること
・職業訓練の必要性を再確認し、職業訓練受講への意欲を向上させること
キャリアコンサルティングでは、持参したジョブカードをもとに、専門のキャリアコンサルタントと過去の経験などを整理し、これからの将来の希望やそれに向けた方向性についてディスカッションします。特に、学習歴やキャリア・プランシートの内容については深く問われました。いくつかアドバイスもいただき、自分のモチベーションの源泉や今後のキャリアの方向性について整理するいい機会になりました。日々の中で、自分の過去の経験や将来の目標を口に出してアウトプットする機会というのはなかなかないので、考えたり書き出したりするのではなく、声でアウトプットするのもたまには良いなと感じました。
2月4日 教育訓練給付金の支給申請を行うため、ハローワークへ行く。
いよいよ申請です。給付金の申請はハローワークで行います。私が住む地域では、キャリアコンサルティングもハローワークの施設内で行われましたので、キャリアコンサルティング終了後、そのまま申請窓口へ向かいました。申請の際に必要なものは以下の通りです。
・記入済みの教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
・キャリアコンサルティングの際に持参したジョブカード
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
・マイナンバー確認書類(マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーの記載のある住民票の写しのいずれか)
・写真2枚(縦3.0cm×横2.5cm)
・給付金受け取り用の金融機関の通帳またはキャッシュカード
(・受給2回目以降は追加で再受給時報告が必要です。)
私は、上記に加えて1月5日の受給資格の確認の際に頂いた「教育訓練給付金支給要件回答書」も持参しました。結果、被保険者番号を確認するプロセスを省略することができました。(基本的には被保険者番号の確認書類は不要です。しかし、被保険者番号の確認は氏名と生年月日で検索をかけるようなのですが、私と氏名・生年月日が完全に一致する方がもう1人いたようで、確認のために被保険者番号を求められるという事態が発生しました…)
提出した書類のチェックを受け、最後に「教育訓練給付の受給資格者のしおり」を受け取って終了しました。申請は待ち時間を含めて30分程度でした。
これで申請のプロセスは全て終了しました。給付金の受け取りは半年後からとのことなので、また半年後にハローワークに来ることになりそうです。
終わりに
今回は教育訓練給付を受給するための手続きについて書かせていただきました。なかなか実体験をブログに残していらっしゃる方がいなかったので、このブログがこれから申請しようとしている方の役に立てば幸いです。