じろログ

一端の金融機関でAI関連のお仕事をしつつ、社会人大学院生をやりつつ、音楽を嗜んでいるじろの記録

東京都立産業技術大学院大学(AIIT)の入試を受けました

今回は、東京都立産業技術大学院大学(AIIT)の入試の話を書こうと思います。

そもそも、なぜAIITを受けることにしたかについては別の記事を書いてありますので、ぜひそちらもご覧ください。

jirolog.hatenablog.com

入試の時期と種類について

東京都立産業技術大学院大学は第1期から第5期までの計5回の入試があります。

また、入試には一般入試、社会人対象特別入試など7種類の方法があります。

aiit.ac.jp

私は、第4期に一般入試を受験して合格しました。

なぜ第4期なのか

受験を考え始めたのが11月の下旬で、それ以降で受けられる最も早い入試が第4期だったからです。なぜ11月の下旬まで受験を考えなかったかと言うと、10月に情報システム系の部署に異動になってしばらく経ってから、ようやく専門的な知識を身につける必要があると思うようになったからです。(詳細は別の記事に書いてあります)

なぜ一般入試なのか

一般入試以外の受験資格がなかったからです。私が受験した第4期は、出願条件を満たしていた自己推薦入試の実施がありませんでした。社会人対象特別入試(受験するコースに関連する分野での3年以上の実務経験が必要)や企業推薦入試(AIITが指定した企業で、AIITの教育内容に関連する専門業務での2年以上の実務経験が必要)はいずれも条件を満たすことができなかったので、一般入試での受験に至りました。

aiit.ac.jp

一般入試は事前提出の調査票と小論文と面接で合否が決まります。なお、自己推薦入試や社会人対象特別入試はプレゼンテーション試験と面接で合否が決まります。プレゼンテーション試験は事前にプレゼン資料を作成する必要があり、面倒に感じてしまったので、短時間でのアウトプットが求められる小論文で受験できたのは、私にとっては好都合でした。

入試の内容について

例年、小論文試験や面接は大学にて対面で行うようですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う緊急事態宣言発令により、2021年1月に実施された第4期試験は原則非対面で行われました。

募集要項や調査票などの必要な書類一式は、大学のウェブサイト上テレメールによる資料請求で入手する必要があります。

aiit.ac.jp

telemail.jp

大学のウェブサイトからダウンロードした書類は、印刷して手書きか、内容を入力したExcelファイルを印刷します。テレメールで請求した書類は、手書きで記入する必要があります。

調査票

出願にあたり、調査票を作成します。調査票には個人情報や学歴・職歴の記載に加え、「大学での学習活動又は現在の業務等について」と「本コースの志望理由」を記入する必要があります。そのため、出願までに志望理由については整理する必要があります。また、それぞれ200字以上との指定がありますが、手書きで記入する場合は、文字のサイズ等を考慮するとどんなに多く書こうとしても350字程度が限度かと思いますので、記入内容をブラッシュアップする必要もあります。なお、Excelファイルに入力する場合は400字程度まで入力できるようです。

私は、大学のウェブサイトからダウンロードできることを知らずに、テレメールで資料請求し手書きで入力しましたが、時間や手書きの手間がかかるので、大学のウェブサイトからダウンロードしExcelファイルを出力する方法をおすすめします。

小論文

小論文は各回1,000字程度の文量です。2020年度第4期の小論文試験もプラットフォーマーへの米国の独占禁止法適用に関する1,000字程度の小論文でした。先述のCOVID-19の影響により、インターネット上に問題文がアップロードされ、手書きで記入の上、3日後までに郵送で送るという形式で実施されました。

面接

面接では志望動機やAIITを選んだ理由、小論文の内容、大学時代の学習内容、現在のITスキルのレベル等について問われました。こちらもCOVID-19の影響により、Google Meetを利用した非対面形式で行われました。面接官は3人、面接時間は20分程度でした。

個人的には、現在のITスキルや知識の量よりも、今後の学修意欲や他の大学院ではなくAIITである必要性を強く問われた印象でした。調査票や面接冒頭で、知識やスキルの不足を埋めるために大学院で学びたいということを、アピールしていたからかもしれません。ロジカルな志望理由と学修に対する熱意があれば、知識面は基本情報処理技術者試験レベルでも十分合格可能かと思います。

逆に言うと、最低でも基本情報処理技術者試験レベルの知識は習得しておいた方が良いかと思います。面接では、IPアドレスに関する基礎的な知識についての質問もされました。

入試の日程について

志望から入学手続きまでの日程は、自分のケースでは以下の通りでした。

11月下旬:大学院への進学を志す

(11月28日:JAIST東京サテライト説明会参加)

12月2日:AIIT資料(大学案内、学生募集要項)請求

1月3日:出願書類郵送

1月8日:小論文試験問題配信

1月11日:小論文解答用紙郵送

1月17日:面接試験

1月20日:合格発表

1月24日:合格通知、入学手続書類受領

1月31日:入学手続書類郵送

(2月5日:入学手続書類提出期限)

終わりに

今回は入試関連の体験を書かせていただきました。2020年度はCOVID-19の影響で例年とは入試の実施形式が大きく異なるためあまり参考にならないかもしれませんが、こんな年もあったという記録として残せればと思い、書いてみました。何かの役に立てばと幸いです。

東京都立産業技術大学院大学(AIIT)に合格しました

この度2020年度第4期入試に合格し、2021年4月より東京都立産業技術大学院大学(AIIT) 情報アーキテクチャコースに入学することになりました。

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受験にあたり、先輩方のブログが非常に参考になったので、自分もこれから受験する方に少しでも役に立てばと思い、ブログを書いてみることにしました。

なぜ大学院に進学することにしたのか

情報システム系の専門性の高い知識を体系的に身につけるため

大学時代は文系学部にいたので、情報システム系のバックグラウンドはありませんでしたが、今後の潮流を考えたときに、キャリアの形成にあたっては、情報システムの知識や経験が必須であると考えました。新卒で入社した会社では営業を行なっていましたが、情報システム系の経験を得るべく異動希望を出した結果、情報システム系の部署への異動が叶いました。しかし、異動するとすぐに基礎的な知識の不足を実感し、勉強することを考えるようになりました。

独学で知識を吸収することも考えましたが、情報システム系の部署で活躍するためには専門性の高い知識を体系的に学ぶ必要があると考えたので大学院で学ぶことに決めました。あとは、熱しやすく冷めやすい性格なので、意識が高まっているうちに勉強する仕組みを作らないと学習が続かないと考えたことも、独学ではなく大学院を選択した理由のひとつです。

優秀な学生とのつながりを得るため

社会人大学院にくる方は、学習意欲が高くて向上心の強い方が多いと考えています。また、私が進学するAIITは8割近くの学生が働きながら通っているということで、様々な経験を背景に持っている多彩な学生で溢れていると考えました。そんな方々とのつながりは、きっと将来かけがえのないものになると考え、大学院に進学したいと思うようになりました。

コンピュータサイエンス系の学位を得るため

将来がどうなるかは誰にもわかりません。今は国内で働いていますが、もしかしたら海外でエンジニアとして働くことがあるかもしれません。そうなったときに、コンピュータサイエンス(CS)系の学位がないとビザが下りないということがあるかもしれません。そんなときに「あー、事前にCS系の学位取っておけば…」という事態にならないようにと考え、CS系学位が取得可能な大学院の進学を決めました。まぁ、そんな事態にならなくても学位は持ってて損はないかなというくらいの軽い気持ちです。文系学士から理系修士、破天荒でカッコよくないですか?

東京都立産業技術大学院大学(AIIT)とは

aiit.ac.jp

東京都立産業技術大学院大学(Advanced Institute of Industrial Technology:通称AIIT)は1研究科(産業技術研究科)1専攻(産業技術専攻)3コース(情報アーキテクチャコース、創造技術コース、事業設計工学コース)の体制の非常に特徴的な大学院です。私が個人的にここは特徴的と思ったことを3点挙げます。

社会人大学院

「社会人の学び直し」を謳うくらい、社会人が学びやすい環境が整備されています。授業は基本的に平日夜と土曜日に開講されています。また、品川シーサイドにある品川キャンパスに加え、授業によっては秋葉原にあるサテライトキャンパスでも授業を受けることもできますし、録画授業と対面授業を組み合わせたブレンデッドラーニングを取り入れた授業も多数あります。

公立大学

東京都立産業技術大学院大学は大学名からもわかるように東京都立の公立大学院です。そのため、私立の大学院と比して学費が安いです。さらに、国の給付金制度(詳細は後述)も活用することで格安で学修することができます。ありがたい。

専門職大学院

一般的な大学院は、卒業にあたり修士論文を書くことが求められる、所謂研究型大学院なのですが、AIITは、専門職大学院に分類される大学院です。

aiit.ac.jp

専門職大学院にはいくつか特徴があるのですが、1番の特徴は実践的な業務遂行能力の習得が可能なことだと思います。アカデミックな知識の獲得や修士論文執筆にかかる研究が可能な研究型大学院とは大きく異なります。ちなみに卒業時に得られる学位は「〇〇修士(専門職)」というように、専門職課程を卒業したことがわかるようになっています。

なぜ東京都立産業技術大学院大学なのか

上で挙げた3点に尽きます。

社会人大学院だから

今の会社は気に入っていますし、(短期的には)社内で昇進していきたいという気持ちもあるので、仕事を辞めるという選択肢はありませんでした。そのため、社会人が働きながら通いやすい大学院ということが大前提でした。私は東京で働いているので、東京近辺という部分も必須条件でした。

国公立の大学院で学費が安いから

仕事を続けているとはいえ、まだまだ貯金は少なく生活にも決して余裕があるわけではないので、私立に行くという選択肢は無くなりました。

ここまでの条件で、自分が調べた限りでは、今回進学予定のAIITと北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)東京サテライトの2択に絞られました。

www.jaist.ac.jp

www.jaist.ac.jp

AIITとJAISTの学費はほぼ同額です。

AIIT:入学金282,000円(東京都の住民は141,000円)、授業料520,800円/年

JAIST:入学金282,000円、授業料535,800円/年

しかし、国の給付金制度(詳細は後述)を活用することで、AIITの方が圧倒的に金銭的な負担が少なく学修できます。

専門職大学院だから

大学院への進学目的はキャリアの形成です。研究者になりたいわけではないので、研究型大学院ではなく専門職大学院の方が自分には合っていると考えました。JAISTは研究型大学院、AIITは専門職大学院ということで、ここでAIIT一択に絞ることができました。

国の給付金制度について

AIITやJAIST教育訓練給付制度の対象講座になっています。

www.mhlw.go.jp

教育訓練給付制度は一言で言うと、「専門性を身につけて、キャリア形成したい人を支援する制度」です。受給には様々な条件がありますが、在職しながら本制度の対象講座になっている社会人大学院に通うという方は、基本的に本制度を活用することができます。

教育訓練給付金にはさらに3つのカテゴリがあります。()内は大まかな給付内容です。

一般教育訓練給付金(支払った費用の20%、上限10万円)

特定一般教育訓練給付金(支払った費用の40%、上限20万円)

専門実践教育訓練給付金(支払った費用の50%、上限80万円。修了後要件を満たすと支払った費用の70%、上限112万円)

AIITの各コースはこの教育訓練給付金の対象となっています。

情報アーキテクチャコース、創造技術コース:専門実践教育訓練指定講座

・事業設計工学コース:一般教育訓練指定講座

aiit.ac.jp

私が進学する情報アーキテクチャコースは専門実践教育訓練指定講座に該当します。そのため、2年間の学費は1,323,600円(入学金282,000円+授業料520,800円/年×2年)ですが、最大で70%の給付金(給付額926,520円)を受給できるので、負担額は397,080円になります(別途、受験料30,000円や郵送料等が発生します)。40万円程度で大学院の教育を受け、修士号を取ることができるのです。

ちなみにJAISTの東京サテライトは一般教育訓練指定講座なので、最大で10万円受給することができます。2年間の負担額は1,253,600円(入学金282,000円+授業料535,800円/年×2年-給付金100,000円)です。

この負担額の差もAIITへの進学を決める大きな要素となりました。

この制度を活用するにはいくつか条件があります。受給可否や必要な手続きについては、厚生労働省ハローワークのウェブサイト等をよく確認するようにしてください。

終わりに

ブログの執筆なるものを初めてやってみましたが、結構カロリーかかるんですね。先輩方に感謝です。

私も先輩方のように、少しでも皆さんの役に立てればと思っております。引き続き私が知っている様々な情報をシェアしていければと思いますので、ぜひ今後ともよろしくお願い致します。